ばけばけ 拍手は日本にはなかった?

ばけばけ
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47話でヘブンがリヨの琴の演奏に対して拍手をしたのを見た江藤が、何を手を叩いちょぉかね?と言ったことに、私は驚きました。え?明治時代って拍手はなかったの?!答えて錦織、「披露したものに対する西洋の礼儀作法」またまた、え?!礼儀作法?なるほど~。

現代のように称賛のためのスタイルとなったのはいつ頃からなのでしょうか。

魏志倭人伝にある拍手

「見大人所敬但搏手以当跪拝」(大人の敬する所を見れば、但だ手を搏ちて、以て跪拝に当つ)

3世紀の日本を言い伝える魏志倭人伝には上記のように記されています。
身分の上の者に対して倭人は「拍手」することで漢人の跪いての拝礼と同等の敬意を示しているという内容ですが、これは、私達の思っている拍手とは違うようです。

また神社での拍手は「かしわで」で、神様を拝む時に両手を打ち鳴らすことですから、こちらも、拍手(拍手)とは区別します。

明治以前の日本にはなかった称賛のための拍手

調べてみると、どうやら明治以前には称賛のための拍手は日本にはなかったとの記述がいくつがありました。歌舞伎やお芝居などの観劇の際や雅楽、能楽などを見て拍手することはなかったようです。

明治になり西洋の文化に触れる機会が増え、また西洋流の作法などを習得する人が増えてから、やはり「マナー」として広まっていったようです。錦織さんが言ったとおり「礼儀作法」だったのですね。

1906年、夏目漱石の「坊ちゃん」が発表されましたが、この小説の中で、坊ちゃんが教場に立った時に拍手で迎えられた、という一節があるので、トキがヘブンの女中をしていたであろう1891年頃には礼儀作法として知っている日本人もいたという解釈で良いのでしょう。

舞台などを見て拍手をするようになったのは?

小説家・劇作家でもある岡本綺堂によると、明治12年に歌舞伎を見た際には「掛け声はあったが拍手をする人は無かった、当時は劇場で拍手をする習慣は無かったのである」と書いています。また、これは岡本綺堂ではありませんが明治30年頃の歌舞伎の劇評で「役者が引っ込む時にお客が手を叩くようになった。国際的にも一人前になって来た。」と書かれており、国際的もという文言から、それまでの日本にはなかったことが推察されます。国際化や西洋文化の影響が及んで、拍手が生まれた、ということのようです。

称賛の拍手をするようになったのは明治以降、という結論です。

おわりに

明治以前はどのようにして称賛の気持ちを表していたのでしょうか。

それは、「掛け声」や「おひねり」などが、称賛の手段だったようです。これは今でも歌舞伎やお芝居などでも見られる光景ですね。そして現代では歌舞伎やお芝居で称賛の掛け声とともに拍手が送られています。時代の流れの中で日本のやり方と、外国のやり方がだんだん融合していった、というところでしょう。

 

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