リヨがヘブンのお見舞いにやってきました。床の間の花はなく、リヨに遠慮したトキが鎌をおいていました。リヨはヘブンに湯たんぽを持ってきてくれました。布団の足元に入れて寝ると暖かく、ヘブンは満足して何度もリヨにお礼を言いました。喜ぶヘブンを見てトキも笑顔を見せてはいますが、少し複雑な表情です。
リヨはヘブンが元気になればまたランデブーに誘うと言います。トキは笑顔を返しますがその笑顔はすぐに消えてしまいます。リヨはトキは疲れているのだろうと言いますが、トキは疲れてはいないが、ヘブン先生は「トオリスガリ」だと言っていて、その言葉が少々気になっていると答えました。
その頃、小谷はまた長屋へやってきてサワにトキのことを聞き出していました。何が好きなのかと聞くと、この前怪談だと教えたというサワに、それ以外のものはないかと聞きます。小谷は怪談が好きというのが納得できなさそうです。「怪談以外なら…金縛りとか呪いとか生まれ変わりとか。」とサワは言いますが、どれも怪談と代り映えしません。「あの子はそげな子だけん。」不思議がる小谷に、いつのまにかいたフミが「私が聞かせたからよ。」と声を掛けます。
そして小谷は松野家に招き入れられました。お茶ではなく白湯を出されたのを緊張の面持ちで飲んでいると、松野家の人達は家柄がどうだとかいろいろ聞いてくるのでした。小谷の家も士族で、勘右衛門も司之介も父親のことを知っていました。そして「なら我が家と同格じゃ」と喜びます。婿入りになるけどいいのかなどとフミは冗談を言うので小谷も驚きます。改めて小谷がトキの好きなものを聞くと「怪談、金縛り、化け物や神様、目に見えんものの物語が好きだ」と、サワと同じ答えが返ってきました。フミはふと「あれを忘れちょりました!」としじみ汁が好きだと言いますが、あいにく小谷はしじみ汁が苦手なのでした。「しじみ汁は松江人の血液じゃ!」と言われても苦手なものは苦手なのです。しかし、勘右衛門は「婿が苦手ならわしが鍛える」などと、すっかり婿候補にされる小谷でした。

タッシャ、ナッタ、ケン!
大寒波も去り、ヘブンは食欲も出てすっかり元気になりました。トキに握手をもとめ、礼を言うヘブンでした。錦織が迎えにやってきて、回復を喜びました。

シジミサン、ナニ、コタニ、ハナシマシタ?

先生が復帰されましたら、おでかけしませんかと
誘われまして…

ナルホド、OK
それ以上何も言わないヘブンにトキは、どういうことかと戸惑います。錦織に聞いても特に何も言ってないと言います。

先生がようわからんというか。しじみで言ったら殻が閉じちょるというか。まぁ…私はただの女中ですし…そげなのかもしれませんが。
ヘブンを見ながら少し気持ちが沈むトキでした。

リヨが持ってきた湯たんぽに喜ぶヘブンを見て、またランデブーに誘うと言うリヨに、また小谷に誘われたことをそれ以上聞かないヘブンに…どうして気持ちが沈むかというと、おトキちゃん、それは恋よ。とテレビの前でつぶやいた世話焼きおばさんは私だけではないのでは…。そして小谷のことを気にしているヘブンもまた、トキが気になっているのは明白です。
松野家の人達は普通に小谷を婿候補だとして盛り上がっていますが、本当の候補はペリーですよスキップ師匠。と教えてあげたい視聴者サイド、の私達、です。


